手術療法
- 監修
- 群馬大学大学院医学系研究科 泌尿器科学分野
教授 鈴木 和浩 先生
前立腺全摘除術
前立腺がんの根治的手術療法としては、「前立腺全摘除術」が行われます。
前立腺全摘除術は、全身麻酔をした上で、開腹して前立腺と精嚢を切除し、さらに膀胱と尿道をつなぎ合わせる手術です。手術方法には開放手術、腹腔鏡手術、内視鏡下ミニマム創手術、ロボット支援下手術などがあります。
手術時間は通常3~4時間程度で、2週間程度の入院が必要になります。
体への負担が大きいため、高齢者や全身状態がよくない人には適応しません。全身状態が良好で、余命が10年以上見込める患者さんに行うべきと考えられています。
前立腺全摘除術は、がんが前立腺内にとどまっている限局がんの患者さんにおいては、根治の可能性が高い治療法です。
局所浸潤がんの患者さんの場合は、はじめにホルモン療法でがんを小さくしてから手術を行ったり、手術の後に放射線療法やホルモン療法を行うことがあります。
前立腺全摘除術の手術時には、尿漏れを防ぐ尿道括約筋や勃起に関係する神経を傷つけることがあるため、尿漏れや勃起障害といった合併症が起こる場合もあります。