- 監修
- 群馬大学大学院医学系研究科 泌尿器科学分野
教授 鈴木 和浩 先生
医療用語は専門家が使うため、一般の方々には耳慣れない言葉が多いと思います。ここでは、がん医療で比較的多くつかわれる用語について説明いたします。
索引
排尿障害 [はいにょうしょうがい]
排尿状態の異常を総称したもので、排尿困難、尿線(放尿の際に描く線)の異常、二段性排尿、尿閉、尿失禁および遺尿などがあります。排尿困難は、尿が出にくい場合を意味し、排尿しても膀胱(ぼうこう)が完全に空(から)になりません。多くは膀胱に尿がいつも残っている感じ(残尿感)を訴え、排尿後尿道から膀胱に細い管を入れて導尿すると残尿が証明されます。
前立腺(せん)肥大症、尿道狭窄(きょうさく)、神経因性膀胱、前立腺癌(がん)などでおこります。排尿困難が進行すると尿閉になることがあります。
白血球 [はっけきゅう]
血液中の血液細胞の一種であり、細菌、ウイルス、真菌(カビ)といった外敵やがんから身体を守る働きをしています。顆粒球、単球、リンパ球などの種類があります。
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病理診断/病理検査 [びょうりしんだん/びょうりけんさ]
身体の一部分から採取した細胞や、病変の一部を薄く切り出した組織を顕微鏡で観察することにより、がんかどうか、どのような種類のがんかなど、細胞や組織の性質を詳しく調べる検査のことをいいます。
副作用 [ふくさよう]
治療によって、本来の目的である作用や効果とは違う、ほかの作用や効果が現れたり、生体に不都合な状況が引き起こされたりすること。
病気の予防や検査、治療などを目的に使われた薬が原因となって、治療の目的である本来の作用と違う体の反応が起こることを副作用といいます。薬による治療の場合、様々な作用機序から本来の作用(がんの薬の場合は、がんを殺す作用)以外にどのような副作用があるのか知ることが重要になります。一般的に副作用と言うと薬による好ましくない体の反応を指しますが、医学的にはそのような好ましくない反応は有害事象といって区別しています。
抗がん剤治療や放射線治療では、治療効果と副作用を考えた上で、自分にとって最もよい治療法を選ぶことが大切です。手術療法の場合は、後遺症という言いかたがされます。
ホルモン療法 [ほるもんりょうほう]
ホルモンが発育に関わるがんに対して、ホルモンの働きを抑える薬を用いる治療法。
がんの場合は、主に乳がん、子宮がん、前立腺がんで使われています。がんの成長に関係しているホルモンが作られるのを抑える効果や、ホルモンががんに作用するのを妨げる効果をもつホルモン剤を使っておこなう治療法です。副作用が化学療法剤と比べて少なく、長期に使うことができます。
主な副作用は、ほてりなどです。ホルモン療法は、内分泌療法と呼ばれることもあります。がんの種類によって治療法は異なりますが、放射線療法などと組み合わせて使用されることもあります。
ホスピス [ほすぴす]
がんによる苦痛緩和のための治療とケアをおこなう施設のことをいいます。
「緩和ケア病棟」も同じような意味で用いられますが、「ホスピス」のほうがより終末期ケアを意識したことばとして使われることがあります。